岸和田だんじり祭といえば、毎年ニュースでも流れる有名なお祭り。
けが人が出たなどのちょっと物騒な話題が多い気がしますが、岸和田だんじり祭とはいったいどういったお祭り何でしょうか?
岸和田だんじり祭の歴史や由来、見どころや特徴などについて調べてみました。
目次
岸和田だんじり祭とは?
岸和田だんじり祭とは、大阪府岸和田市を中心とした地域で行われる行事です。
毎年9月と10月の各2日づつ行われています。
「試験曳き」を合わせると各4日づつの開催となります。
それぞれ「9月祭礼」「10月祭礼」と呼ばれますが、9月と10月では開催される地区や規模が違い、一般的に岸和田だんじり祭というと「9月祭礼」を指します。
「9月祭礼」のほうが規模が大きく、外国人観光客や屋台の数も圧倒的に多く人気があります。
「9月祭礼」は別名「海側」、「10月祭礼」は「山側」とも呼ばれます。
これは参加する地域が岸和田市の「海側」の地域中心か、「山側」の地域中心かという区分です。
2つの祭礼には毎年合計約60万人もの見物客数が訪れます。
9月祭礼 | 海側 | 敬老の日直前の土日。土曜日が宵宮、日曜日が本宮 |
10月祭礼 | 山側 | 体育の日直前の土日。土曜日が宵宮、日曜日が本宮 |
※敬老の日は9月第3月曜日、体育の日は10月の第2月曜日。
「だんじり」とは祭りで市内を引き回す山車(だし)の事を言います。
「三郷」と呼ばれる3つの地区を表す大きな区分からなる22の地域が「だんじり」を所有していて、市内の決められたルートを曳行(えいこう)します。
3つの地区「三郷(さんこ)」
- 中央地区:南町、本町、堺町、北町、五軒屋町、宮本町、上町、南上町
- 浜地区:中町、中之濱町、紙屋町、大手町、中北町、大北町
- 天神地区:沼町、筋海町、並松町、下野町、春木南、藤井町、別所町
それぞれの「町会」と呼ばれる組織の中に年齢をに応じた祭礼団体が組織されています。
- 世話人
- 若頭:壮年の年齢層
- 組:27歳以降の年齢層
- 大工方(だいくがた):ほとんど組の一員が務める
- 青年團:16歳~28歳の年齢層
- 少年団、子供会:15歳くらいまでの年齢層
- 婦人会:サポート役
岸和田だんじり祭りの歴史や由来は?
岸和田だんじり祭りの由来については2つほど説があります。
1703年(元禄16年)伏見稲荷大社を岸和田城三の丸神社に迎えて五穀豊穣を祈願して行った稲荷祭を起源とする説。
北町の茶屋新右衛門が大坂の祭を見聞し、牛頭天王社(現・岸城神社)の祭(旧暦6月13日)に献灯提灯を掲げたいと藩主に願い出て許可されたのが始まりである
引用:wikipedia
1745年(延享2年)現在の岸城神社の祭りを起源とする説。
当時の岸和田藩主であった岡部長泰が伏見稲荷大社を岸和田城三の丸に勧請し(→三の丸神社)、五穀豊穣を祈願して行った稲荷祭を始まり
引用:wikipedia
1745年の説が有力なようですが、どちらにしても江戸時代のちょうど真ん中あたりで、徳川家重か徳川綱吉の時代です。
歴史のあるお祭りなんですね。
岸和田だんじり祭りの特徴と見どころ
岸和田だんじり祭りの最も特徴的な点は、やはりだんじりと呼ばれる山車を勢いに乗ったまま直角に曲げること。
これを「やりまわし」と呼びます。
一つのだんじりの曳行には実に500人前後の人員が参加しています(町会によって異なる)。
いくつかの役割に分業されていて、それぞれが息を合わせて絶妙なタイミングで「やりまわし」を行っています。
綱元(つなもと) | 曳き縄の付け根でやりまわしのラインと速度を決める役割。 |
大工方(だいくがた) | だんじりの屋根にのって指示を出す役割。 |
前梃子(まえてこ) | 転回中に前輪ブレーキを掛けて曲がり具合を調整する役割。 |
後梃子(うしろてこ) | 後方に差し込まれた棒でだんじりの後部を外側へ振ることで向きを変える役目。 |
タカリ・セミ | 転回の際にだんじりの内側に乗車したり外側が降車したりしてバランスを取る役割。 |
下の動画を見てもらうとわかりますが、全ての役割の人達の息のあった動きが総重量4トンともいわれる巨大なだんじりを操っています。
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山車を曳き回すお祭りは全国にたくさんありますし、山車の方向転換が見どころのお祭りも多くあります。
有名なところでいうと祇園祭りの「山鉾巡行」の竹の上を滑らせる「辻回し」や、高山祭りの屋台(山車のこと)の「戻り車」といったものがあります。
祇園祭りの山車が一つの角を転回するのに10分以上かかるのです。
祇園祭の「辻回し」の様子。祇園の山車はだんじりの3倍~4倍にあたる8トン~12トンもの重量があります。
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高山祭りの屋台(山車)の方向転換の様子。こちらは小さな車輪を出して旋回します。一旦止まらないと転回できないので時間がかかります。
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岸和田だんじり祭のように勢いの乗ったままの山車をそのまま高速で旋回させるお祭りは他に類を見ません。
岸和田だんじり祭の最も有名な見どころの一つは「カンカン場」と呼ばれるポイントです。
「カンカン場」の場所は、大阪臨海線の「岸和田港」交差点。
各町のだんじりが駆け抜ける「カンカン場」は、だんじりのやりまわしを見ることができる絶好の場所とあって、有料の観覧席が設けられています。
紀州街道のらんかん橋近くには、道幅が狭くS字になった部分があって、ここもやり回しの見せ場になっています。
岸和田だんじり祭りの見せ場ポイント
- カンカン場
- 堺口門跡・内町門跡の枡形(通称「S字」)
- 年番本部前の交差点(通称「小門」「貝源」)
だんじり曳行は夜の部もあります。
「灯入れ曳行」と呼ばれるもので、だんじりが灯の灯った沢山の提灯で彩られてとてもキレイです。
昼間のだんじり曳行は勇壮で迫力ある「男の祭り」で見ている者も興奮を抑えられないほどの迫力があります。
こちらは昼間の曳行と打って変わってゆっくりと曳行されていて、太鼓と笛の音で風情のある趣きとなります。
スピードが出てないとかえって曲がりにくいのかと思いきや、らくらくと方向転換できるんですね。
岸和田だんじり祭りの日程とルートマップ
全国的に有名な「岸和田だんじり祭り」が2019年の今年も9月と10月に開催されます。
日程は以下の予定で行われます。
- 「9月祭礼」2019年9月14日(土)・15日(日)
- 「10月祭礼」2019年10月12日(土)・13日(日)
日にち | 時間 | 9月祭礼曳行(さいれいえいこう) |
9月8日(日) 9月13日(金) | 14:00~16:00 | 試験曳き |
9月14日(土) | 6:00~22:00 | 宵宮 |
9月15日(日) | 9:00~22:00 | 本宮 |
日にち | 時間 | 10月祭礼曳行(さいれいえいこう) |
10月6日(日) | 13:00~17:00 | 試験曳き |
10月12日(土) | 6:00~22:00 | 宵宮 |
10月13日(日) | 7:00~22:00 | 本宮 |
岸和田だんじり祭りのまとめ
岸和田だんじり祭は今や大人気で全国区のお祭りとなっています。
人出も60万人ともいわれて毎年大混雑。
人混みはお祭りの醍醐味でもありますが、苦手な人は「9月祭礼」ではなく「10月祭礼」を狙うといいかも知れません。
「9月祭礼」で事前に2日間行われる「試験曳行」を見に行くのも狙い目です。
ぜひ全国屈指の勇壮なお祭り「岸和田だんじり祭り」を観に行ってみては。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事がお役に立てたらうれしいです。
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