狩野川台風とは?台風19号との比較や被害はどれくらいだった?

関東を直撃する予定の台風19号の被害が既に東京や千葉などの各地で発生しています。

気象庁の発表によると今回の台風19号が静岡県の狩野川を中心として関東・静岡に甚大な被害をもたらした「狩野川(かのがわ)台風」に匹敵する台風とのことで厳重な警戒を呼びかけています。

現在でも記録上もっとも被害が大きかったとされる狩野川台風とはどれほどの被害をもたらしたのか?台風19号と比較してどれくらいのものだったのかを調べてみました。

目次

狩野川台風とは?大きさや気圧、観測史上何位?

狩野川台風

  • いつ?:1958年(昭和33年)9月26日
  • どこへ?静岡県南部を通過し、27日未明に神奈川県三浦半島へ上陸
  • 中心気圧:877hPa
  • 降水量:東京で371.9mm/日、静岡県で694mm/日、横浜で287.2mm/日

静岡県の伊豆半島を流れる狩野川が氾濫して多くの犠牲者を出したことから狩野川台風と名付けられました。

現在でも観測史上1位となっています。

台風19号と狩野川台風を比較

気象庁の発表によると今回の台風19号は狩野川台風と進路や規模が同等程度だと発表しました。

台風19号と狩野川台風を比較してみました。

台風19号と狩野川台風の進路比較

まずは狩野川台風の進路からです。

狩野川台風の進路

次に台風19号の予想進路です。

台風19号の予想進路

台風19号のほうが若干角度が浅い気もしますが、上陸ポイントなどは殆ど同じですよね。

台風19号と狩野川台風の雨量の比較

狩野川台風(9月26日の静岡最接近時)と台風19号(10月13日12時まで)の雨量の比較

狩野川台風

日降水量
伊豆半島湯ヶ島694mm/日
東京都心371.9mm

台風19号:気象庁発表より

予想日降水量(13日12時まで)
東北300mm~400mm
北陸300mm~500mm
関東甲信300mm~500mm
伊豆諸島300mm~400mm
東海600mm~800mm
近畿200mm~300mm

台風19号と狩野川台風の風速の比較

台風19号の最大瞬間風速は70m/s

狩野川台風の最大瞬間風速は75m/s

台風19号の各地の瞬間最大風速
出典:tenki.jp

狩野川台風の被害の規模は?

静岡県伊豆半島を流れる狩野川が決壊し氾濫。

東京の皇居のお堀ののり面も崩れるなどの被害が発生しました。

神奈川県などでも広範囲に渡る住宅地の冠水やがけ崩れなどが発生しました。

  • 亡くなった方:888人
  • 行方不明者:381人
  • 家屋損壊:4,293棟
  • 床上床下浸水:500,000棟以上

狩野川台風を経験した静岡県東部民はいまでもその名前を聞くだけで全力で警戒するのだとか。

今回の台風19号でも狩野川が危険氾濫水位に達しています。

既に冠水しているところも多くあるようです。

狩野川台風後の台風対策

雨台風であった狩野川台風の際には乱雑な宅地造成によって土砂災害が多く発生したことを受け、1962年に宅地造成等規制法が施行されました。

狩野川は過去にも降水量が多いと氾濫を繰り返していました。

この対策として1965年7月に狩野川放水路が作られました。

実はこの狩野川放水路は狩野川台風の前から工事が始められていましたが、残念なことに間に合わなかったわけです。

被害が大きかった地区ではさらに狩野川の流れを直線化する神島捷水路(しょうすいろ)が整備されています。

狩野川台風後に整備された狩野川放水路

今回の台風19号では既に多摩川が氾濫危険水位を超えているとの情報も入ってきています。

立て続けに襲来している台風による被害が拡大しないことを祈るばかりです。

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